ミニカーで遊んだり、父の86（ハチロク）でドライブをしたり…思い返せば、いつもクルマがそばにある日常でした。クルマへの愛着も自然にわいて、今、自分が86をお客さまに提案するとき、懐かしさを感じることが少なくありません。それも相まって、お客さまに対しても、クルマを通じたライフスタイルを提案することが私のスタイルになっています。

たとえば、少し前にご成約いただいた30代のお客さま。生活や趣味のことを伺うと、さまざまな個性が見えてきました。趣味はキャンプ。山とクルマをセットにして写真を撮り、SNSにアップロードするのが大好き。最初はハリアーかヤリスクロスで悩んでいたのですが、私が提案したのはRAV4。「山を背景にしたら映えるし、荷物もたくさん積めます。都内の移動も快適です」と、理由を添えて提案したのです。結果、その方が最後に決めたのはRAV4でした。

どんな人生を送りたいのか。詳しくヒアリングすればするほど、本当に合うクルマが見えてきます。同じクルマでも、提案するライフスタイルは変わります。想像以上に奥が深い仕事です。

お客さまのライフスタイルを深掘りすることの大切さに気づいたきっかけは、ある先輩です。年齢が近く、性格は気さく。社内の人だけでなく、お客さまからも、厚い信頼をいただいており、毎月の販売台数もダントツでトップです。入社したときから「この先輩みたいになりたい」と、強く思っていました。

あるとき、その先輩の商談に同席することになりました。お客さまとの会話を聞いていると、クルマの話は半分以下。大半が、生活や趣味の話でした。「クルマの話をしなくても大丈夫だろうか…」と半信半疑でしたが、後日、販売契約が成立したのです。

お客さまは、クルマを買いに来ているだけじゃない。新しい生活や人生も買いに来ているんだ。当時、販売契約台数を伸ばせずに悩んでいた私にとって、目から鱗が落ちた気づきでした。その日以降、お客さまの生活や趣味、願望などをとことん伺うスタイルにチェンジ。結果、成果はどんどん伸びていきました。